大学無償化について大学生が思うこと
安倍首相の政策には教育の無償化などを含んだ「人づくり革命」というものがありますが、その中でも僕たち大学生やこれから大学に進学しようと考えている人にとって興味深いものがあります。
それは「大学の全面無償化」です。
具体的にいつから〜とかはまだ決まっていないですが
今回はその大学の無償化について・メリット・デメリットを書いていきたいと思います。
目次
検討中の大学無償化と既存の給付型奨学金の違い
まず、今回の大学無償化と現在の給付型奨学金の大きな違いは、
大学無償化=所得制限がない
給付型奨学金=所得制限がある
というところです。
所得制限がないので、豊か・貧しいに関わらず誰でも国からの支援を受けて大学に進学することができます。
もう少し詳しく説明すると、この大学無償化はオーストラリアの「高等教育拠出金制度」というものを摸したものです。
国が一旦学費を支払って学生が卒業したら、その支払い能力に応じて返金していく「出世払い」方式です。それがこの制度のメリットです。
しかし教育国債ではないため、卒業後の支払いには当然利子が付きます(「所得に応じて」なので高収入になればなるほど高い)。これがデメリットです。
こうして見てみると、所得制限が有るか・無いかという点以外、現在の奨学金とあまり大差ないような気がします...
僕が思う大学無償化の利点と問題点
僕は大学生という立場を抜きにして、大学無償化には半分賛成で、半分反対です。
一見すごく良い考えに見えますが、やはりアドパンテージだけではありません。
利点はやはり、経済的に厳しい家庭の人たちも大学に進学することができるということだと思います。しかも単純に考えた場合、大学に進学した方が中卒・高卒よりも良い職業に就くことができ、所得が上がるので、収入格差が小さくなるのです。
しかし問題点は、大学無償化と言えども教育国債ではなく、利子の付く奨学金と変わらないという点です。
しかも、卒業後の所得に応じて利子が異なるのなら良い大学を卒業して、良い職に就き高い所得を得た場合、そうじゃ無い人たちよりも多く支払わなくてはなりません。
ただでさえ所得税が累進課税方式で、高所得の人ほど税金を払わなくてはならないのに、大学卒業後の奨学金を同じようになるとさすがに不満が出てくると思います。
自分(大学生)なりの意見
高校・大学に関わらず、教育がみんな平等に行き渡ることは当然だと思います。アメリカやイギリスといった欧米やスゥエーデンやフィンランドなどの北欧諸国では、条件はありますが大学無償化の国が多いこともわかるように、国の成長には大学教育が不可欠です。
なので、日本にも奨学金制度というものがありますが、正直な話、奨学金というよりも借金の色が強いように思えます。
僕は約180万円の奨学金として借りているのですが、最終的に返済しなくてはならないのは約220万円ですので、利子が約40万円。
もちろん別に返済していくことに対しては、自分の意思で奨学金を借りて、大学に進学すると決めたので、不満はありませんが、「奨学金」という名前にしてはあまりにも利子が高すぎるような気がするのです。
そして、あくまでこれは僕の意見なのですが、日本にある全ての大学を対象に無償化をしてしまうのは絶対避けるべきだと思います。
国の財源を使うのですから、あくまで「大学に行って勉強したいけど、家庭の経済状況で進学を断念せざるを得ない人」を対象にしなくてはなりません。
ということは、無駄に増え続けた数多くの大学からいわゆる「それなりの大学」に絞らなくてはなりません。
(全国の高校・予備校・企業・政府などの評価を元に)
また経済的に厳しい家系の中には、授業料以前に入学金すらも払うのが困難な家庭もあります。こういうことも対策をしなければ、「教育の機会の平等」の実現は難しいと思います。
まとめ
いがどんな問題もそうですが、やはり根っこの部分から治していかなくては結果は同じです。
今回の大学無償化についてもそれは言えることです。格差を埋めるつもりが、逆に格差を拡大してしまうこともあります。
やはりその辺は、当事者である高校生や大学生に、しっかりと意見を聞くべきであると思います。